1年の振り返り　～「がん」と「仕事」の関係～

今年の1月9日で、起業10周年。この10年、良いこと悪いことたくさんありました。もうダメだと思った年だってあります。そして今年は、今までで一番思い入れのある1年となりました。

10周年ということで去年から仕込みをし、もちろん最高の収入を目標にし1月からかっ飛ばしていた私です。
1月、2月でそれなりの目標を達成した矢先、忘れもしない3月5日の「がん」告知でした。

その時から、ブログではたくさんの想いを書いてきました。
主に傷ついた言葉ですね。

手術も終え「がん」もなくなり、だいたいの治療も終わった今だから思うことを書きますね。

たくさん傷つき、「がん」告知よりもキツい言葉がたくさんあったけど、それは、皆さんが良かれと思って言ってくれた言葉でもあります。
それでも、私ならきっと言いませんでした。

仕事では、すっぽかされることが突然増えました。アポイントの変更も増えました。だから、自分の存在はもう重要視されていないんだな、と思ってしまいました。今は、病気なんだから仕方のないことって思えます。
それでも、今まで通り、仕事で接してくれた人がたくさんいました。すっぽかす方がおかしいって言ってくれます。私も本当はそう思います。

今までの、自分の感情を振り返ると、仕事を遮られたり、取り上げられたり、そんなことが一番イヤだったんだなって分析できます。
病気である私に付け込んで、近づいてくる人がどうしてこんなにいるんだろうとも思いました。どうせ病気なんだから、私の仕事をもらっちゃおう！って人ね。仕事どころじゃないでしょ
これは正論だ！

というのが一番言われたくなかった言葉、一番傷ついた言葉です。今まで同じ位置にいた人たちが、その時点から私よりも上の人になりました。

でも、そんな人とはもう会わなければいいだけです。
悩む価値もなかったかもしれません。

私ね、「がん」だからって、仕事をさせてあげないって、どうなのかと思うのです。
2人に1人が「がん」になる時代で、もう来年から線虫検査で「がん」が見つけられるようになるわけです。
私は、保険にも加入していたし、環境的にも恵まれていたけど、そうでない人も大勢でてくることが予想されます。

「がん」だからって、会社に残れない環境を作ったり。治療で休みがちになり、会社に申し訳ないからと自分から退職してしまう人がいたり。「がん」の人の再就職がまだまだ難しい世の中であること、知っていますか？
反対に、治療のために遅刻して出勤したら、23時まで残業をさせられた人もいます。これはさすがに意地悪ですよね。

治療費がかかるのに、「がん」だからって、仕事を取り上げられたら。
その人は、治療が受けられなくなるかもしれません。死んでしまうかもしれません。
何より、健常者と差別しないでほしいです。

今のままの皆さんの認識だと、このことは、近い将来大きな社会問題にもなりそうです。

では、その解決策を書きますね。

「がん」という病気をもっと知ってください

昔の「がん」と今とでは、治療法も生存率も全く違うこと、知ってほしいです。「がん」の人は、生きるため、治すための治療をしています。昔の認識の皆さんは、無意識に、「がん」の人を、不治の病の人、死ぬ人として見てしまってます。だから、仕事どころじゃないでしょ！休んでいて！になってしまうのだと思います。

「がん」を他人事と思わない

傷つく言葉を発する人は、自分は「がん」にならないと思い込んでいます。誰でも同じだけ確率のある病気であること、「がん」にかかる原因なんて本当はないことを分かってください。私は、たばこもお酒もしません。それでも「がん」になりました。不摂生している人にかぎって大丈夫だったりしませんか？

でも、この経験のおかげで、私は、「がん」と「仕事」について、深く考えるようになりました。
誰にでも同じだけ「がん」になるリスクがあるならば、もちろん『保険』という準備も必要。それと同じぐらい必要なのは、「がん」で治療中、そして、「がん」を乗り越えた人が働きやすい環境づくりではないでしょうか。

仕事上で差別しない。それでいて、気遣いを忘れない。そんな社会が必要です。多くの病気の人が求めています。

心からそう思います。

今年1年、本当にありがとうございました。来年は、「がん」で治療中、そして、「がん」を乗り越えた人が働きやすい環境づくりをテーマにした活動もしていきたいと思っています。