自宅兼オフィスという空間の片付け術

意外と多いのです、外でオフィスを借りずに自宅で仕事をしている人。または小売店や飲食店などを自宅の一部で経営していて、事務的なことをリビング等でしている人。

収納場所のないLDK兼事務所

【依頼内容】

製造業を自宅の一部で経営していて、工場と直結しているリビングが事務所となっているが、そのリビングに収納場所が全くなく、玄関までモノがあふれてしまっている。仕事上、新しいパソコンを導入することになったが置き場所がない。予算25000円。

【現状把握:玄関】

※写真の全てはお客様の許可を得て掲載しています

築30年で2階建て3LDK。

1階が玄関、リビング、浴室と工場で、リビングは事務所にもなっています。

玄関1モノがあふれている状態は玄関から繋がっていました。

綺麗な花や、絵画もあるのですが、それ以上にモノがあり目立ちません。

玄関3

スリッパ入れの中にはスリッパ以外のモノがたくさん入っています。

米の袋は空き缶入れになっていました。

ここは玄関ですが、洋服をかけるためのポールがあり、ぎっしり洋服がかけられています。

その洋服を見えないようにするために黒い布がかけられています。

玄関4こちらのパーテーションの向こうには、大きなオフィスデスクと古くて大きい端末が置かれています。

また、ビールやカップ麺などの食べ物ストックもこちらの中に置かれていました。下の写真です。

玄関6食べ物ストックは、かなりの量です。

玄関5近くにあったカラーボックスの中も、大量の油、ケチャップ、カレーなどのストック品でいっぱいでした。

以上ここまでが、玄関にあったモノです。

【現象把握:リビングに入ると・・・】

リビング1

食器棚が、つい、モノを置きたくなる高さです。

左にチラッと見えるのが、工場へのドアです。工場側からの目隠しのため、玄関と同じパーテーションがあり、そこに服をたくさんかけていて、よく倒れてしまうそうです。

リビング3

お醤油さしの隣に、領収書などの書類や通帳が置かれています。

リビング2レンジ台の一番下には、アイロン、殺虫剤まであります。

リビング4

仕事用スペースにテレビがあります。でもこちらはリビングでもあるので自然なことでもあります。リビング5

仕事の重要書類が、こちらです。床にまで広がてしまっていて、大事なモノが紛失してしまいそうです。

【問題点の整理】

①玄関からリビングにかけてクローゼットなどの収納が一つもない。

②ストック品が多すぎる。(食用、飲料、ラップなどの生活雑貨)

③仕事の書類が増え続ける(7年保存の書類が多い)

④仕事場からのホコリがたまりやすい。

⑤リビング兼事務所ということで、生活空間と仕事空間が混ざり合い、使いにくくなっている。

【改善点の整理】

①とにかくモノが多い。所有の意味を考えながら必要なモノと、そうでないモノを分けて、必要ないモノは処分する。

②モノの本質を考え、リビングに置くべきでないモノは、ふさわしい場所へ移動させる。

③生活空間と仕事空間が混ざり合っているので、同室の中で分けてみる。

④購入したパソコンの置き場を確保する。

⑤書類が多いので工夫が必要!

⑥クローゼットが全くないので、行動動線に合った収納場所を作る。

【改善後】

①テレビを移動したりして、生活空間と仕事空間を分けることで、行動動線を考えるとともに、整理しやすい環境にした。見た目もよくなり、動線も動きやすい空間になった。

②各書類の意味を確認すると、毎日使う書類は、数量をチェック後、綴じるだけの書類が多いことがわかる。穴を開けるファイリングからクリアファイルに入れるだけにしてみた。書類がかなり減り、毎日行っていたパンチでの穴あけ作業もなくなり時間的効果にもつながる。

③書類を、クリアファイルに入れ使用頻度別、得意先別にグループ化し、ファイルスタンドに収納してラベリングした。見た目もすっきりし、どの書類がどこにあるのか一目で分かるので探し物がなくなった。

③収納場所が全くなかったのでオフィスデスクを2つ、キャビネット、カラーボックス、バンカーズボックス、100円収納グッズを購入し、クローゼットのない部屋に収納場所を確保した。7年保存の溜まっていく書類たちは、バンカーズボックスに入れ、書類の種類と日にちをラベリングすることで、7年すぎたら破棄。段ボールより見た目も綺麗に保存。

④リースの大きな端末は、もう使っていないので期限前に返却。端末が乗っていたテーブルも処分した。期限より前に返しても、使わないのであれば損にはならない。

【まとめ】

作業の途中まで、お客様は、『どんな暮らしがしたいか』の問いかけへの回答が漠然としていました。作業がすすむにつれて、人に見せられる部屋にしたい、使いやすい仕事場にしたい、とにかくスッキリしたい、という言葉が出てきたのです。

目隠しのパーテーションが玄関と事務所に2つあったのですが、どちらも処分することで、見せるオフィスに変わりました。それがすごく嬉しかったようです。楽しそうにパソコンにかけるホコリよけの布のデザインの話をしていました。

もったいない、まだ使えるという言葉が、途中から、これも使わないから捨てるわ!に変わっていきました。何十年前に使っていた、もう書ききれなくなったノートまで全てとってあったお客様です。ちなみにそのノートを見返したことは一度もないそうです。

食料、飲料、生活雑貨のストックも、買い方の意識が変わり、経済的効果にも繋がることを期待したいと思います。

改善後は、こんなオフィス!

改善

次回は、広い玄関の整理になります。

お客様の夢は、綺麗になった玄関の窓に花柄のカーテンをつけること。整理に対してのモチベーションが芽生えていたことに私もやりがいを感じました。