わたし、乳がんですが、温泉に行ってもいいですか？

Facebookではお知らせしましたが、昨日3月5日で、「乳がん」告知を受けてから1年が経ちました。
がん告知を受けたとき、保険の大切さを伝えたい！という気持ちと同時に思ったこがあります。「もう、大好きな温泉に行かれない！」

「一緒に温泉に行かれなくなるなんて嫌だよ(´;ω;｀)」なんて心ない言葉もありましたしね。なぜ心ないと思ったか？その子と一緒に温泉に行ったことなんて一度たりともなかったし、今後も予定していなかったから。

なぜ、温泉に行かれないと思ったのか

えっと、告知を受けた当時の感情なのですが、おっぱいがなくて恥ずかしいから温泉に行かれない！ではありませんでした。「そんな私を見たら、他の人はドン引きするよね」どちらかというと、周りに対して申し訳ない気持ちでした。

人の体、そんなに見ないよって男性のみなさんは思いました？女同士って、けっこう見るんですよ。それと、私自身が経験ありました。一人で温泉に入っていたら、胸のない人が入ってきた・・・・。思わず目を逸らしてしまったんですよね。1年前にはそんなことを思い出していました。

現在の治療と今後について

抗がん剤治療が終わり、手術が終わり、放射線治療も終わりました。今は、分子標的という治療をスタートしていて、3週間に一度、14回投与するうちの4回が終わったところです。あと10回！それが終わると、3ヶ月に一度の定期検診。その次は半年に一度の定期検診。その次はやっとみなさんと同じ、1年に一度の定期検診になります。乳がんを完治するには10年かかります。もうおばあさんになってしまいますね。これは全て、再発がなく順調に進んだ場合です。

治療の中の手術ですが、私の場合、温存術。つまり、胸を残す手術になりました。手術前の検査での画像上、がんは完全になくなっていましたので。リンパ節への転移を確認するため、脇の部分にもメスを入れています。

1年間、もちろん病気と闘うことは大変でした。それより大変だったのは、やはり、心ない言葉や、ネットワークビジネス勧誘との闘いでしたかね。おそらく30近くのものに勧誘されています。ネットワークビジネスってこんなに種類があるんだ～と感心してしまったほど。やれ抗がん剤は良くない、やれ、セミナーに来て！言うことはみんな同じ。参りました。どれもドクターが賛成しないのでね、ムリなんです。今となってはそれも懐かしく思えます。

わたし、温泉に行かれます

また温泉に行きたい！最近、そう思うようになりました。その理由を書きますね。

今度は、治療の中の放射線治療の話です。25日連続で片道1時間半かけて通ったあの治療です。治療時間は3分もないくらい。それも何も感じない治療なんです。分かりやすく表現するとね、目に見えない何かに焼かれます。毎日焼かれます。だんだん火傷してきます。がんのあった部分を標的に焼くため、標的部分に黒いマジックでお絵描きされます。マジックで描かれている風景は異様。そしてくすぐったいのなんのって。さらに、お絵描きされた体を鏡で見ると、サイボウグ状態。写メ撮ってここで見せられないのが残念なくらい笑えました。

その放射線治療の終了から3ヶ月が経ちました。最近は、乾燥との闘いです。なんと！皮が剥けてきました。日焼けで焼きすぎたときのアレです。処方されたローションを塗りまくっていますが、それでも剥ける剥ける。

剥けた部分の肌が・・・。まるで赤ちゃんのような肌なんです。ピンクっぽくて綺麗な肌。自分の肌に思えないほどです。そして、目を背けてきた傷ですが、これまたびっくり。ピンク色の引っ掻き傷ぐらいになっていました。じっくり見れば分かりますが、遠目では乳がんで手術したようには見えないでしょう。術後にはやや凹んで見えたものの、鏡で見ても両胸均等です。確かに今の手術は抜糸もありませんよね。むしろ、元よりいい感じ？の胸になってしまいました。

細胞って、ちゃんと生まれ変わるんですね。

温存術だったからというのもあります。ただ、全摘されて再建された方も、きっと昔よりもいい状況だと思います。
昔のままの認識で「もう温泉に行かれないのね」と思い込む必要はないということになりますね。当事者も、そして周りもです。

あとは、髪の毛がもう少し伸びれば、堂々と温泉に行かれそうです。

今の医学にも感謝しますが、担当医にお礼を言わなくてはです。綺麗に、なるべく目立たないように手術してくれたので。

「もしも、もしだよ、陰に大きながんが潜んでいたら、最悪の場合、命を優先して全摘になっても許してくれる？なるべくいい状態になるようにボクも頑張るから」手術前に言ってくれたドクターの言葉でした。