「当事者にしか分からないことがあるよね」と言う前に考えてほしいこと
同じ言葉でも、健康な人が言う場合と、病気の人が言う場合とでは、大きく意味が変わってきます。
健康な人が言う、「当事者にしか分からないことがあるよね」
病気の人に向かって発していることが多いです。具体的に言葉にするなら、当事者（病気の人）にしか分からないことであり、こっち側（健康な人側）には分からないこと。という線引きになってしまいます。外側に向けて言っています。
病気の人が言う、「当事者にしか分からないことがあるよね」
病気の人に向かって発していることが多いです。具体的に言葉にするなら、当事者（病気の人）にしか分からないことであり、あっち側（健康な人側）には分からないこと。という線引きになってしまいます。内側に向けて言っています。
同じ言葉でありながら、全く意味合いが違うことに気づきますか？
どちらも、がん患者を孤立させる言葉なのです。
とても小さなこと。細かいことかもしれません。
それでも孤立を感じるがん患者がいるのであれば、言わない方がいいのかもしれません。
実は、私がNPO法人ピュア・スマイル・スタジオを設立を考えたきっかけの一つがこの言葉でした。
みなさん善意
理事会でも普通にこの言葉が飛び交いました。
「がんの人の悩みなんて、がんの人にしか分からないんだからさ～」
「がんの人の気持ちは、分からないもん」
善意ということが分かっているので、私も反論する気にもなれずにいました。
でも、そのような言葉をなくしたいという思いで立ち上げようとした会社でした。私が諦めてはいけなかったんです。
もっともっと、がんの人が生きやすい世の中になるように、これからも発信を続けていきます。
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